UTM図法とは

UTM図法を解説するにあたり、先にメルカトル図法について簡単にご紹介しておきます。球体を万遍なく平面上に正確に投影していく図法はなく、やむを得ず投影に必要な要素(距離、面積、角度)のどれを優先するかで編み出されたのが、「正距図法」や「正積図法」そして「正角図法」という3種類の図法と言われています。

その一つである正距図法は地球上の狭い範囲での2点間距離と投影された地図の同地点間距離が同一となるよう考えられた投影法ですが、南極や北極という赤道から離れるにしたがってそのずれが大きくなってしまいます。ただ経線と緯線が直線で示されるため、電子地図という地球全土のどこでもズームアップなどの操作にもある程度耐えられることから採用されていると考えられます。

正角円筒図法とも呼ばれているのは、赤道という円周と同一直径の円筒を仮想して南北に立ててその円筒内面に映し出す地図投影法で、UTM図法はこの仮想円筒の置き方を東西方向に変えて投影する図法となります。

という事は円筒内面に接しているのは子午線という経線となり、緯線と違って360℃どこでも基準とすることが可能ですが、世界的取り決めとしてイギリスの旧グリニッジ天文台を通過する子午線を基準に定めて度数は決められています。