地図を分類する時、その形態に注目するのもよいでしょう。平面地図や立体地図はその代表格ですし、その基準でいえば、地球儀も球形という、一つの形態であると言えます。現実世界は地球儀のように存在しているため、平面地図で表現する場合、様々な工夫が必要なことが分かるでしょう。過去の偉人もそうした点に心血を注いできました。例えば投影法が開発されたのも、その解決法の一つとしてなのです。しかし季節が変われば太陽の高さも異なりますし、時差や日付変更線等を考慮するまでには至りませんでした。やはり最も適した表現法が地球儀であることは間違いありません。
とはいうものの、地球儀の携帯性は高くないため、便利な平面図を使う場面はどうしても多くなります。そこで平面図には、様々な工夫が施されてきました。特に山地や丘陵地の高さを表現するための方法は何度も練られ、これまでにも立体地図が開発されてきました。しかし立体地図も作成に手間が掛かるため、実際は高さを平面上の距離で数倍に誇張することで、読み取れるようにしています。
分類法の基準としては他に、体裁を挙げることができます。端的に言えば、マップとアトラスとの違いです。アトラスとは、地図集、地図帳を指し、たくさんの地図がまとめられたものです。書籍タイプ以外にも、箱に何枚もの地図が収められたものもあります。また、意外に思われるかもしれませんが、色彩も立派な基準になり得ます。地図には単色図と呼ばれるものもあれば、多色図もあります。両者の違いは、表現内容の幅に影響します。近代以前の時代、地図の多くは多色図でした。これは印刷術が広まる前だったためで、手作業で地図作成したからです。それに対し、近代以降は印刷術で作成が楽になった一方、一色で全てを表現しなければならなくなりました。